
佐賀・長崎のやきものめぐり
■開館時間 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※毎週金曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日 第4週を除く月曜
※4月29日・5月6日(月・祝)は開館、5月7日(火)は休館。
※第4月曜(4月22日・5月27日)は、展示室でお話ししながらご鑑賞いただけるフリートークデーとして開館。
■4月27日(土)から5月6日(月・振休)の間、小中学生は入館料無料。受付にて年齢のわかるものをご提示ください。

展覧会趣旨
館蔵の佐賀・長崎のやきもの(肥前陶磁)を一堂に会して展観いたします。古伊万里を中心に、鍋島焼や古武雄、三川内焼、波佐見焼など、個性豊かな肥前陶磁をご堪能ください。
主な出展作品
伊万里焼

伊万里
江戸時代(18世紀前半)
口径54.5㎝
戸栗美術館所蔵
日本初の国産磁器として、17世紀初頭に佐賀・有田で生まれた伊万里焼。江戸時代、有田とその周辺地域で焼造されたやきものは伊万里の港から出荷されたため、出荷港名を取って伊万里焼と呼ばれました。そして、国内流通のみならず、17世紀後半に海外輸出が本格化し、西欧の王侯貴族をも魅了しました。本作は、17世紀末頃に登場する古伊万里金襴手様式の大皿。染付の青、上絵の赤、そして金彩を多用して、見込に花鳥、周囲には流水に菊花と、花唐草や蝶を入れ込んだ窓絵を配しています。豪奢な趣で、西欧の城館を華やかに彩ったことでしょう。
古武雄

武雄
江戸時代(17世紀後半)
口径48.7㎝
戸栗美術館所蔵
肥前陶器の中でも、佐賀・武雄を中心として17世紀前半から19世紀にかけて製作された一群を古武雄と総称します。大鉢や壺、水指などに、色釉や白化粧、鉄絵、象嵌など様々な技法を駆使してあらわす雄渾な意匠が特徴です。本作は白化粧で櫛目文を施した後、仕上げに一筋ずつ流し掛けた緑釉と褐釉が豪快な印象を与えています。
波佐見焼

波佐見
江戸時代(17世紀前半)
高6.7㎝
戸栗美術館所蔵
17世紀前半に長崎・波佐見の三股窯でつくられた波佐見青磁は、水色がかった美しい釉調で知られています。同窯の作とみられる本作は、盃受け部分を竹の節に見立て、脇には竹葉と梅枝を貼り付けるという繊細なつくり。全体に青磁釉、口縁と葉には銹釉を掛け、梅などは白く残しています。
三川内焼

三川内
江戸時代(19世紀)
高23.2㎝
戸栗美術館所蔵
長崎・佐世保の三川内で焼造される三川内焼では、17世紀後半に高い製磁技術が確立され、19世紀になると細工に凝った独特な作品が数多く生み出されました。竹林に集う七賢人をあらわした筆筒である本作は、筒状にした竹林と、それぞれ異なる仕草の七賢人を共に板状の土台に貼り付けています。細やかな造形と共に、青磁釉・瑠璃釉・濃淡の銹釉・透明釉の巧みな塗り分けが見所の優品。
展覧会詳細
現在の佐賀県および長崎県の一部は、江戸時代においてはやきもの大国として名高い肥前国でした。中世までは目立ったやきもの生産は行われてきませんでしたが、16世紀末、その状況が一変します。朝鮮半島から陶工が渡来し、まずは陶器の焼造を開始。それが唐津(佐賀)を中心とした唐津焼で、ほどなく北部九州一帯に製陶技術が伝播しました。とくに、江戸時代に武雄(佐賀)で焼造された陶器は古武雄と呼ばれます。
また、唐津焼生産が行われていた佐賀鍋島藩領の有田(佐賀)では、17世紀初頭に日本初の国産磁器の焼成に成功します。出荷港名を取って伊万里焼と呼ばれたそれらの磁器は、白い磁肌に色とりどりの絵付けで国内外の人々を魅了。有田のみならず、隣の武雄や嬉野の志田などにまで窯が広がり、膨大な量が焼造されました。17世紀後半には、伊万里焼の技術を基盤として、佐賀鍋島藩が徳川将軍家への献上を目的に、鍋島焼を製作しはじめます。また、有田での磁器誕生から間もなく、大村藩領の波佐見(長崎)、やや遅れて平戸藩領の三川内(長崎)でも磁器焼造に成功。肥前国は一躍、現代まで繋がるやきもの大国としての途を歩みます。
今展では館蔵品の中から佐賀の古伊万里を中心に、鍋島焼や古武雄、志田焼、長崎の波佐見焼と三川内焼、そして現代の有田焼を一堂に会します。個性豊かなやきもの鑑賞をお楽しみください。
同時開催
特別展示室「磁器誕生から100年の変遷」
創始期からの約100年間に作られた伊万里焼を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。
1階やきもの展示室「伊万里焼ができるまで」
伊万里焼の製作工程をご紹介いたします。
会期中のイベント
■通常展示解説日程:
第2・第4水曜 14:00~ (4月10日 4月24日 5月8日 5月22日 6月12日)
第2・第4土曜 11:00~ (4月13日 4月27日 5月11日 5月25日 6月8日)
■フリートークデー
第4月曜日 (4月22日 5月27日) 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
14:00~ミニ展示解説を開催(予約不要。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください)。
■特別講演会「古伊万里あれこれ」
2019年5月13日(月)14:00~ 講師:中島誠之助氏
所要時間60分程度。参加費 一般:3,000円、アートサークル会員:2000円(入館料込み)。先着45名。
当日は13:30開館、受付開始。
お電話にてお申し込みください(受付開始日時:4月16日10:00~ 03-3465-0070)。
展示予定作品の画像データ等ご用意しております。
取材は随時受け付けておりますので、下記の問い合わせ先へご連絡いただき、掲載媒体・取材内容についての企画書をお送りください。内容を検討し、追ってご連絡いたします。
●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。


【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813