次回開催中の展覧会



古伊万里カラーパレット―絵具編―

■会期:2025年10月10日(金)〜12月21日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
 ※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日:月曜日・火曜日
 ※ 10月13日(月・祝)、10月14日(火)、
 11月3日(月・祝)、11月24日(月・振休)は開館。
■入館料:一般1,200円/高大生500円
 ※中学生以下は入館料無料。
 ※10月14日(火)は創設者 戸栗 亨のメモリアルデーのため、無料開館いたします。
 


展覧会趣旨


いろどり・はなやぐ 絵具の世界

 展覧会『古伊万里カラーパレット』は江戸時代の伊万里焼の「色」を特集した、夏秋連続企画展示。後期の秋季にあたる今展では、伊万里焼に施される装飾のうち、絵具による色に注目します。

 伊万里焼の製作上、絵具を使用して文様を描く工程は、「下絵(したえ)付け」と「上絵(うわえ)付 け」の2種類があります。下絵付けの代表が呉須絵具(ごすえのぐ)を使用する染付(そめつけ)。磁肌の白色に対する文様の青色のコントラストが染付磁器の魅力です。上絵付けでは赤・黄・緑など様々な色の上絵具(うわえのぐ)を使用し、カラフルな色絵(いろえ)磁器となります。これらの呉須絵具や上絵具を駆使して、豊かな装飾をまとった伊万里焼が生み出されました。
 今展では、白い磁肌に映える青、赤、黄、緑、黒、金など、各色の時代による移り変わりや、色の組み合わせの妙を掘り下げます。館蔵品から厳選した彩り豊かな伊万里焼、約 80 点をお楽しみください。



主な出展作品と見どころ

◆第1章「絵具の色」(第1展示室)

それぞれの絵具の色に着目して作品をご紹介いたします。技術発展や様式変遷とともに移り変わる絵具の色にご注目ください。


色絵 桐亀甲文 輪花皿
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径34.2㎝


◇ 青
青には、下絵付けと上絵付けの両方があります。上絵付けの場合は色ガラス状でより鮮やかに発色し、面を塗る濃(だみ)に使用されます。下絵付けの青(染付)は線描きにも濃にも使うことができ、技法も豊富です。


染付 松樹鳳凰文 甕
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
高27.5㎝


◇ 赤
上絵付けの赤は線描きにも濃にも使用され、濃淡をつけることも可能です。時代による色調の変化が顕著です。なお、例外的に辰砂(しんしゃ)と呼ばれる下絵付けの赤も存在します。


色絵 双鶴文 輪花皿
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
口径22.5㎝


◇ 緑・黄・紫
いずれも上絵付けに使用します。とくに緑は色合いに幅があり、黄緑や青緑などが見られます。


色絵 牡丹文 水注
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
通高34.8㎝


◇ その他、黒、金・銀など


◆第2章「色の取り合わせ」(第2展示室)

  伊万里焼の絵具は色によって線が描きやすいか否か、濃淡が付けられるかなど、それぞれ特性が異なります。各色の特性を踏まえ、工夫しながら組み合わせて器面を彩っています。

◇ 4色で組む趣
面の塗り埋めには赤・黄・緑・青の4色がよく使用されます。その基本の4色は輪郭線の色、絵具自体の色調、青は下絵か上絵かなどによって趣が異なります。


色絵 丸文 葉形皿
伊万里(古九谷様式)
江戸時代(17世紀中期)
口径16.5×14.1㎝


色絵 貝形蓋物
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
長22.5㎝


◇ 5色以上で作る彩り
赤・黄・緑・青の4色のほかにも、紫や金、銀などが使われます。各絵具は最適な焼成温度が異なり、多色で彩られる作品は焼成の難易度も高いと言えるでしょう。


色絵 獅子牡丹菊梅文 蓋付壺
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)
通高74.6㎝


 

◇ 3色以下でみせる風情
黄・緑の2色、染付の青1色など、面を塗るのに1〜3色しか使用していない作品もあります。少ない色数でも驚くべき意匠を生み出しています。


色絵 柏樹鳥文 皿
伊万里(古九谷様式)
江戸時代(17世紀中期)
口径32.8㎝

     
染付 花唐草文 瓢形瓶
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
高31.8㎝

     

同時開催


◇第3展示室『江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―』


◇やきもの展示室『望月優 真希二人展〜伝統技法の可能性〜』

 轆轤成形の一級技能士 望月優氏と絵付けの伝統工芸士 望月真希氏の二人展。古くから守られ培われてきた伝統技法を駆使した作品が並びます。現代の創造性と伝統技法の組み合わせによる、技術伝承の可能性や面白さをご堪能ください。


本展会期中の催し物のご案内


◇展示解説

■10月18日(土)・12月6日(土)  各日14:00~(約45分)
■参加料無料(要入館券)
■予約不要

◇古伊万里入門解説

古伊万里鑑賞を楽しむための入門解説です。陶器と磁器の違いから、江戸時代の伊万里焼の作り方や様式変遷といった基礎を解説いたします。古伊万里の陶片に触れていただけます。
※本解説では2階ロビー「伊万里焼ができるまで」、第3展示室「江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―」をご案内いたします。
■11月22日(土)  14:00~(約45分)
■参加料無料(要入館券)
■予約不要

◇ラウンジ&ギャラリー・トーク「古伊万里の絵具―変遷と配色―」

 講師:当館学芸員

 前半は1階ラウンジにて概説し、後半は2階展示室にて展示解説を行います。
■10月27日(月) 14:00~(約120分)
■先着30名様
■参加費(入館料を含む) 一般 2,700円(税込)
 年間パスポート会員 1,200円(税込/本人のみ)
 ※各種割引はご利用いただけません。何卒ご了承ください。
 ※当日はご予約の方のみご入館いただけます。
 ※13時30分開館、17時00分閉館です。
■要事前予約
 ※下記予約サイトからお申込みください。
【受付開始】10月10日(金)10:00~  《ラウンジ&ギャラリートーク予約サイト》
 https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/



●プレス・広報ご担当の方へ
プレスリリースに掲載の作品および展覧会ポスター画像データをご用意しております。また、メディア関係者の方のご取材を随時承っております。ご希望の方は下記までお問い合わせください。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『古伊万里カラーパレット―絵具編―』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070