次回開催中の展覧会



古伊万里カラーパレット―釉薬編―

■会期:2025年7月11日(金)~9月28日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
 ※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日:月曜日・火曜日
 ※7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)、
 9月15日(月・祝)、9月23日(火・祝)は開館。
■入館料:一般1,200円/高大生500円
 ※中学生以下は入館料無料。
 ※ 8月9日(土)は「ファミリーデー」として開館。
 


展覧会趣旨


いろどり・つやめく 釉薬の世界

 展覧会『古伊万里カラーパレット』は江戸時代の伊万里焼の「色」を特集した、夏秋連続企画展示。夏は釉薬、秋は絵具と、古伊万里の「いろどり」を二季連続でご紹介いたします。前期の夏季にあたる今展では、釉薬による装飾に注目します。

釉薬とは、やきものの表面に施されるガラス質の膜です。耐水性のほか、色や質感といったうつわの装飾性を高める役割を担っています。伊万里焼では、白い素地と透明釉による白、瑠璃釉による青、青磁釉による青緑、銹釉による茶が初期から主にあらわされています。基本は1種類の釉薬でうつわ全体を覆いますが、ひとつのうつわに複数の釉薬を掛け分けたり、筆で描いた文様と組み合わせたりと、釉薬による色の表現に注目するとそのヴァリエーションの豊かさに驚かされます。

なお、釉薬のみに焦点を当てて通観する展覧会は当館では約7年ぶりの開催です。伊万里焼を通史的かつ網羅的に収蔵する専門美術館ならではの視点で、釉薬による多彩な装飾をお楽しみいただける館蔵の伊万里焼、約80点を厳選。 驚くほどに豊かな、いろどりつやめく釉薬の世界をご堪能ください。



主な出展作品と見どころ

◆第1章「釉薬の種類」(特別展示室・第1展示室)

◇第1 章では、各釉薬の概説に加え、1 種類の釉薬でうつわ全体を装飾した単色の潔い趣きをご紹介いたします。


透明釉
無色透明の釉薬。伊万里焼の基本の釉薬で、磁器の特色である素地の白を最大限に生かす。


白磁 桔梗形猪口
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
口径9.7㎝


瑠璃釉
透明釉に呉須を混ぜ込んだ釉薬。酸化コバルトを発色の材料として藍色をあらわす。呉須の含有量で濃淡に変化が生じる。


瑠璃釉 牡丹唐草文 三足香炉
伊万里
江戸時代(18世紀)
高6.5㎝


青磁釉
酸化第二鉄を1〜2%含む釉薬。還元炎焼成をすることで青緑色を呈する。釉薬の鉄分の量や焼成の巧拙など様々な影響が色調に出やすい。一口に青磁と言ってもその色調は時代や産地によって異なり奥深い。


青磁 鮑形皿
伊万里
江戸時代(18世紀)
口径16.5×13.2㎝


銹釉
酸化第二鉄を8〜10%ほど含む釉薬。様々な要因によって黄色味のある茶から濃い黒色まで色調のバリエーションが見られる。


銹釉 碗
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
口径14.2㎝


◆第2章「色の取り合わせーいろどり・つやめくー」(第2展示室)

  ◇第2 章では、ひとつのうつわに複数の釉薬を用いる掛け分け技法や絵付けとの共演の妙をお楽しみいただけます。

釉薬のみの掛け分け:絵付けを伴わず、釉薬の掛け分けのみで装飾したタイプ
釉薬に直接浸す、または柄杓等で掛ける


瑠璃銹釉 碗
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
口径14.3㎝


青磁瑠璃釉 輪花鉢
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
口径19.7㎝


釉薬を筆でとり、絵具のように使用する


青磁 瑠璃銹釉 鷺龍文 三足皿
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
口径24.0㎝


 

釉薬の掛け分け+絵付け
釉薬の掛け分けに加えて、染付や上絵などの絵付けを伴っているタイプ


青磁染付 波文 舟形皿
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
口径17.2×8.2㎝

     
銹釉色絵 斜線文 瓶
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
高22.3㎝

     

同時開催


◇第3展示室『江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―』


◇やきもの展示室『クリエイターズリポート』

 白磁・瑠璃・青磁・銹といった釉薬を鍵とする作品を手がける作家の皆様に取材しました。制作のこだわりのうち主に釉薬との向き合い方を中心に、作り手の生の声をお届けいたします。[特別協力:望月優氏、浜野まゆみ氏、坂本窯陶工房 坂本達也氏 ]


本展会期中の催し物のご案内


◇展示解説

■7 月19日(土)・9 月13日(土)  各日14:00~(約45分)
■参加料無料(要入館券)
■予約不要



◇〈夏休み特別企画〉8月9日(土)は「ファミリーデー」

当日は中学生以下の方とのご同伴で一般料金から200円割引いたします。

◎1日おしゃべり鑑賞会

会話をしながらご鑑賞いただける日として開館いたします。
※当日は館内に話し声が響くことが予想されますので、予めご了承ください。


◎やきもの絵付け体験 昔ながらの文様を描いてみよう


チラシ画像をクリックすると
別ページが開きます

当館学芸員が古伊万里の伝統文様のひとつ「蛸唐草」の描き方をレクチャー。その後、上絵具マーカーで白磁のミニカップへの絵付けを体験していただきます。お子様の制作された作品は当館で焼成し、後日郵送いたします(※送料着払い)。
■13:30受付開始、14:00開講(45分~60分程度)
※制作が終わり次第、各自解散となります。
■対象年齢:小学3年生~中学1年生 参加費 お一人様1,500円
※ご同伴の方は要入館料。
■先着10名様
■要事前予約
※下記予約サイトからお申し込みください。
(受付開始:7月19日(土)10:00~)
《夏休み企画 予約サイト》
https://toguri-etsuke2025.peatix.com



◇ラウンジ&ギャラリー・トーク「古伊万里の釉薬−色と技−」

 講師:当館学芸員

 前半は1階ラウンジにて概説し、後半は2階展示室にて展示解説を行います。
■7月28日(月) 14:00~(約120分)
■先着30名様
■参加費(入館料を含む) 一般 2,700円(税込)
 年間パスポート会員 1,200円(税込/本人のみ)
 ※各種割引はご利用いただけません。何卒ご了承ください。
 ※当日はご予約の方のみご入館いただけます。
 ※13時30分開館、17時00分閉館です。
■要事前予約
 ※下記予約サイトからお申込みください。
【受付開始】7月11日(金)10:00~  《ラウンジ&ギャラリートーク予約サイト》
 https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/



●プレス・広報ご担当の方へ
プレスリリースに掲載の作品および展覧会ポスター画像データをご用意しております。また、メディア関係者の方のご取材を随時承っております。ご希望の方は下記までお問い合わせください。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『古伊万里カラーパレット―釉薬編―』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070


連続企画展のお知らせ『古伊万里カラーパレット−絵具編−』
連続企画の後期に当たる絵具編では、伊万里焼に施される装飾のうち、絵具による色に注目。それぞれ単独でもおたのしみいただけますが、ぜひ2展示併せてご覧ください。

古伊万里カラーパレット―絵具編―

詳細はこちら をご覧ください。