次回開催中の展覧会



西洋帰りのIMARI展
―柿右衛門・金襴手・染付―

■会期:2025年4月12日(土)~6月29日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
 ※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
 ※4月29日(火・祝)、5月5日(月・祝)、5月6日(火・振休)は開館。
 5月7日(水)は休館。
■入館料:一般1,200円/高大生500円
 ※中学生以下は入館料無料。






展覧会趣旨


伊万里焼、2度海を渡る

 1700年代初頭まで硬質磁器の製作技術を持たなかったヨーロッパでは、中国や日本の磁器を珍重しました。アジア貿易に積極的であったオランダ東インド会社やその社員たちが1660年代頃から本格的にヨーロッパ向けに扱いはじめたのが、日本製の磁器である伊万里焼(いまりやき)でした。ヨーロッパでは実用とするほか、王侯貴族たちの城館を飾る室内調度品としても用いました。現在も伊万里焼が残る場所はヨーロッパに数多くありますが、再び海を渡って日本へ「里帰り」していくものもありました。
 今回の展覧会では、かつてドイツのアウグスト強王のコレクションであった「色絵 花鳥文 輪花皿」をはじめ、ヨーロッパから里帰りを果たした作品、器形や装飾などから輸出向けの可能性がある作品を展示し、伊万里焼貿易の様相を探ります。優美な柿右衛門(かきえもん)様式や華やかな古伊万金襴手(こいまりきんらんで)様式の色絵磁器、東洋風の情緒溢れる染付磁器など、ヨーロッパ好みの約80点をご堪能ください。



主な出展作品と見どころ


◇第1章「伊万里焼貿易と里帰り-近世から近現代まで-」(第1展示室)

◇第1節「オランダ東インド会社による貿易」

 17世紀初頭に設立されたオランダ東インド会社は、17世紀中期以降ではヨーロッパの国々で唯一、日本との直接的な貿易を担いました。同社の略称「VOC」のマークを有した作例や、出島出土品の類品などを展示いたします。

染付 二果文 皿
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)
口径34.9㎝



◇第2節「近世の王侯貴族たちによる収集」

 ヨーロッパの王侯貴族たちにとって、中国磁器や伊万里焼などの高価な東洋磁器を入手できることは、ステータスの一種でした。ドイツのアウグスト強王のコレクションをはじめ、目録や伝世品によって17〜18世紀の収集の様子が垣間見える例を、その類品や「色絵 花鳥文 輪花皿」などからご紹介いたします。

色絵 花鳥文 輪花皿
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
口径22.0㎝



◇第3節「近現代における貿易・収集と里帰り」

 19世紀以降、17~18世紀の伊万里焼は“Old-Imari”などの呼び名で輸出・収集の対象となりました。一方で、1970年代頃から日本の高度経済成長を背景に逆輸入、つまり日本に「里帰り」したものもありました。19世紀の輸出向け伊万里焼とともに、古美術品として輸出・収集された17~18世紀の作品およびその類品、里帰り品を展示いたします。

染付 撫子文 皿
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
口径18.7㎝

     

第2章「西洋における受容—意匠の踏返しや加工—」(第2展示室)

  ヨーロッパでどのような伊万里焼が受容されたかを探る手掛かりとなるものに、ヨーロッパで写されたり、手が加えられたりした一群があります。1700年代初頭のドイツ・マイセンでのヨーロッパ初の硬質磁器の誕生を契機に意匠がヨーロッパ磁器で踏み返されている作例や、金属装飾などの加工痕跡の残る作品およびその種の類品などを展示いたします。

色絵 梅竹粟鶉文 皿
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
口径15.1㎝

色絵 牡丹文 瓶
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
(左)高56.9㎝ (右)58.0㎝

     

◆第3章「西洋文化に合わせたかたちや装飾」(第2展示室)

  オランダ東インド会社がヨーロッパ向けに伊万里焼を取り扱うようになると、同社はヨーロッパの生活文化に合った伊万里焼を求めました。カップ&ソーサーやティーポット、大型の沈香壺(じんこうつぼ)などはとくにヨーロッパで人気の高かった器種です。

色絵 花鳥文 杯・輪花皿
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
(杯)口径6.5㎝ (皿)口径10.6㎝

     

同時開催


◇第3展示室『江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―』


◇やきもの展示室『たなかふみえ作品展』



本展会期中の催し物のご案内


◇展示解説

■4月26日(土)・6月21日(土) 各日14:00~(約45分)
■参加料無料(入館券を別途お求めください)
■予約不要



特別講演会 「王様と古伊万里」


チラシ画像をクリックすると
別ページが開きます
講師:森由美(当館学芸顧問)
■5月24日(土) 14:00~(60分程度)
■参加料無料(要入館券)
■予約不要
着席をご希望の方に当日13:00より先着順で座席札を配布いたします。
※座席札はお一人につき一枚の配布とさせていただきます。また、お席には限りがございます。
予めご了承ください。
※座席札のない方も立ち見にてご参加いただけます。
■場所:戸栗美術館(東京都渋谷区松濤1-11-3) 1階ラウンジ
※当日は12:30以降、会場設営のためラウンジのご利用を制限させていただきます。
■講演内容:
『西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―』にちなみ、ヨーロッパで受容された古伊万里についてお話しいただきます。
※詳細はチラシをご覧くださいませ。


ラウンジ&ギャラリー・トーク 「西洋好みの伊万里焼を探る」

講師:当館学芸員
前半は1階ラウンジにて概説し、後半は2階展示室にて展示解説を行います。
■6月2日(月) 14:00~(約120分)
■先着30名様
■参加費 一般1,500円(税込)(入館券を別途お求めください)
 年間パスポート会員1,200円(税込)
 ※当日はご予約の方のみご入館いただけます。
 ※13時30分開館、17時00分閉館です。
■要事前予約
 ※下記予約サイトからお申込みください。
【受付開始】4月12日(土)10:00~
 https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/


●プレス・広報ご担当の方へ

プレスリリースに掲載の作品および展覧会ポスター画像データをご用意しております。また、メディア関係者の方のご取材を随時承っております。ご希望の方は下記までお問い合わせください。

PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070