
古伊万里植物図鑑展
■開館時間 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※毎週金曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日 月曜
※7月16日(月・祝)・9月17日(月・祝)は開館、
7月17日(火)・9月18日(火)は休館
※毎月第4月曜(7月23日・8月27日)は、展示室でお話ししながらご鑑賞いただけるフリートークデーとして開館

展覧会概要
日本には、昔から四季折々の植物を楽しむ風習があります。特に工芸品には、それらをあらわしたものが少なくありません。伊万里焼も例にもれず、植物を形や文様のモチーフとしたものが多くみられます。子孫繁栄(瓢箪)や歳寒三友(松竹梅)、不老長寿(菊)など、中国から伝わった「吉祥の意」を内包しているものもありますが、中には中国由来の意味だけではなく、日本的なおめでたい意味を持つものもあらわされています。
伊万里焼の生産がはじまった江戸時代は、次第に園芸が盛んになり、植物栽培の手引書が多数出版された時代でもあります。菊番付などにみられるように、植物に対する賞玩文化が広がりをみせ、伊万里焼のモチーフにも身近な植物が採用されていきます。江戸末期には日本初の彩色植物図鑑が刊行され、以降の植物図鑑の礎を築きました。
今展では約80点の出展作品にあらわされた植物を、江戸末期に刊行された『本草図譜』を参考に、図鑑形式にてご紹介いたします。古伊万里植物図鑑を一緒に紐解いてみましょう。
展覧会の見どころと主な出展作品
図鑑形式で展観する、植物モチーフ

伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)
高31.8㎝
戸栗美術館所蔵
文政11年(1828)に原稿が完成した『本草図譜』は、幕府の下級武士である岩崎灌園(いわさきかんえん/1786~1842)によって編纂された日本初の彩色植物図鑑。全92巻(巻5~96)で、植物ひとつひとつを見開きページに大きく描いているのが特徴です。
今展では作品とモチーフとが結びつきやすいよう、植物毎にパネルを設けました。登場する植物は20種類以上。 パラパラと図鑑をめくるように眺めたり、時には気になる作品で足を止めたりしながら、ご覧ください。
第1章:植物に込められた人々の願い

伊万里
江戸時代(17世紀中期)
高17.9㎝
戸栗美術館所蔵
子孫繁栄、立身出世、富貴・・・中国では、古くから物事や動植物などに特定の意味や願いを込め、生活の中であらわしてきました。こういった、「吉祥」の意味をもつものの中には、日本においてもその意味を引き継いで、おめでたいモチーフとして受け入れられたものもあります。やがて、中国由来の意味のみならず、日本的な意味が付加されると、ひとくちに中国の吉祥意として判断できないものも現れ、ひとつのモチーフに複数の意味を内包するものがみられるようになりました。
第1章では、伊万里焼にあらわされている植物の中で中国から「吉祥」の意味が渡来してきたものを中心にご紹介いたします。植物に込められた人々の願いとはどのようなものだったのでしょうか。
第2章:江戸の人々に寄り添い、四季を彩る植物

伊万里
江戸時代(17世紀後半)
高18.7㎝
戸栗美術館所蔵

伊万里
江戸時代(17世紀後半)
口径10.0×6.8㎝
戸栗美術館所蔵

伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径26.5㎝
戸栗美術館所蔵
日本における園芸は、平安時代に貴族たちの間で、すでにはじまっていたといいます。江戸時代前期においても身分の高い人々の趣味でした。しかし17世紀末頃より財力を付けた町人層に、19世紀には庶民にまで広がっていきます。植物栽培の手引書が多数出版されたのも、植物を賞玩する文化が広がった江戸時代。同時に、植物を薬としてみる本草学も盛んに行われました。
伊万里焼のモチーフには、じつに様々な植物が採用されていますが、そこには江戸時代に園芸種として人気があったものから、古来親しまれてきたものまで、四季折々の様々な植物がみられます。第2章では当時の人々にとって身近な植物があらわされているものを四季に沿ってご紹介いたします。
同時開催
第3展示室「磁器生誕から100年の変遷」
伊万里焼の創始期から元禄年間までの100年を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。
特別展示室「伊万里焼ができるまで」
伊万里焼の製造工程や江戸時代の陶工の姿などをご紹介いたします。
1階やきもの展示室「第5回 たなかふみえ作品展」
今の生活にも溶け込む伝統文様を描いた器を制作しています。今回は「花ごよみ」と題し、1年間12ヶ月の花を描いた作品を展示いたします。
会期中のイベント
■やきもの展示解説入門編(予約不要。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください)
ご参加の方には当館特製パンフレットをプレゼントいたします。
8月3日(金)~5日(日)・8月10日(金)~12日(日)
各日14:00~15:00
■キッズ学芸員~うつわを守る ふろしきの包み方~
小学生を対象として、学芸員の大切な仕事のひとつ、木箱と風呂敷を使ったやきものの仕舞い方をレクチャーいたします。
ご参加の方に戸栗美術館特製風呂敷をプレゼント。
7月28日(土)14:00~15:00/7月29日(日)11:00~12:00
参加費 1人500円
(各回定員3名。当日受付にてお申し込みください。保護者の方がご同伴ください)
■通常展示解説日程:
第2・第4水曜 14:00~ (7月11・25日、8月8・22日、9月12日)
第2・第4土曜 11:00~ (7月14・28日、8月11・25日、9月8・22日)
■フリートークデー
毎月第4月曜日 (7月23日、8月27日) 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
14:00~ミニパネルレクチャーを開催(予約不要。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください)
■とぐりの学芸員講座
やきもの鑑賞をより楽しむためのポイントを当館学芸員がご紹介する講座です。
2018年9月3日(月)14:00~ 小西麻美(学芸員) 「古伊万里の文様―やきものにこめられた吉祥意―」
所要時間90分程度、参加費1,000円(入館券を別途お求め下さい。)先着35名様。
お電話にてお申し込みください(03-3465-0070)。
展示予定作品の画像データ等ご用意しております。
取材は随時受け付けておりますので、下記の問い合わせ先へご連絡いただき、掲載媒体・取材内容についての企画書をお送りください。内容を検討し、追ってご連絡いたします。
●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。


【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813