次回開催中の展覧会



古伊万里から見る江戸の食展

■会期:2024年7月11日(木)~9月29日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日:月曜日・火曜日
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・振休)、9月16日(月・祝)、
9月23日(月・振休)は開館
■入館料:一般1,200円/高大生500円
※中学生以下は入館料無料。
※上記の内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承くださいませ。




展覧会趣旨


≪現代の食の原点、江戸時代の食文化を「古伊万里」から探る≫

 2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とは、日本の伝統的な食文化を指します。四季折々の旬の食材の使用にはじまり、調味や調理技術、盛り付けの美しさ、さらには使用する食器や食事をする部屋のしつらえといった食空間の表現も、和食の持ち味として重要視されました。
 江戸時代に誕生した伊万里焼(いまりやき)は、食器として主に大名や公家などの上流階級層に流通しました。現代の食文化のルーツとされる江戸時代後期には料理文化が著しく発展し、磁器需要の裾野も広がりをみせます。多彩に展開していく器種のなかから定番化した形や文様には、現代の食卓にまで引き継がれたものも少なくありません。
 今でこそ鑑賞品として美術的な価値を見出されている伊万里焼ですが、今展では「使う」ことに着目いたします。食事の場面で伊万里焼がどのように使用されてきたのかを、約80点の出展作品から紐解きつつ、江戸時代の食文化をご紹介いたします。



◆古伊万里の「食器としての魅力」に注目

古伊万里とは、江戸時代に作られた伊万里焼のことを言います。伊万里焼は、1610年代に誕生した日本初の国産磁器。佐賀鍋島藩領の有田を中心とした地域で焼造され、近郊の伊万里の港から出荷されたために、消費地では「伊万里焼」の名で呼ばれました。
 現代において、古伊万里は美術的な鑑賞品として位置付けられていますが、製作当時は主に大名や公家などの上流階級層に流通した実用品でした。  今展では器種(うつわの種類)に注目し、皿や碗といった種類別にどのような料理が盛られていたのかを当時成立した文献資料や絵画作品を参照しながら見ていきます。
※文献資料や絵画作品の出展はございません。展示パネルにてご紹介いたします。
※参考画像以外の作品は全て戸栗美術館所蔵。

◆浮世絵から紐解く江戸の食とうつわ

江戸時代の風俗を移す浮世絵からは、当時の食事の様子がうかがえます。焼き物や膾(なます)などのおかずを盛るうつわは当時から磁器製の皿や鉢などが用いられた様子がうかがえ、また当時の料理本によれば、磁器製の蓋付碗は茶碗蒸しの器としても使用されていました。今展では浮世絵に描かれた食事とうつわをパネルで解説しながら、江戸時代の食事とうつわの関係性を紐解いていきます。

染付 唐草文 輪花皿
伊万里
江戸時代(18世紀)
口径20.5㎝

染付 白抜蛸唐草文 蓋付碗
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
通高7.5㎝



◆江戸時代の外食文化とうつわ

  単身赴任者の多い江戸では外食文化の活況に伴い、料理屋や屋台などで提供される食事が脚光を浴びました。こうした背景の中で19世紀に作例が増える大皿は、一度に沢山の料理を並べる屋台での販売や、料理屋などで食事を囲んで銘々取り分けて楽しむのに欠かせない器種でした。今展では料理文化の発展と器種との関わりを見ていきます。

染付 竹虎文 皿
伊万里
江戸時代(19世紀)
口径53.6cm


◆食空間に遊び心を

  18 世紀以降、器種ごとにある程度規格化されていく中で、凝ったうつわも作られました。中でも木製品や金属器などの磁器以外の素材で作られていた器種を、あえて伊万里焼で作った例があります。 こうした異素材にみられる器種をはじめ、現代の食卓でも使いたくなるような食空間を彩る趣向を凝らしたうつわをご紹介いたします。

染付 蛸唐草文 八角蓋物
伊万里
江戸時代(19世紀)
通高13.2cm

     
染付 牡丹唐草文 湯桶
伊万里
江戸時代(18世紀)
通高14.0cm

     
染付 蛸唐草松竹梅文 竹筒形猪口
伊万里
江戸時代(18世紀)
高6.6cm

     

同時開催


◇第3展示室『江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―』


◇やきもの展示室『いろえ工房 鷹巣陽作品展』

 いろえ工房は佐賀県黒髪山の麓にある赤絵付け工房です。伝統的な絵柄や技術を使いながらも、どこか新しさ、今らしさを感じていただける赤絵を目指しています。今回の作品展では、細密な唐草柄や波鯨柄など様々な絵柄の器を展示いたしますので是非ご高覧ください。



≪夏休み特別企画 8月10日(土)は「ファミリーデー」≫

(中学生以下の方とのご同伴で一般料金から200円割引いたします)


◇1日おしゃべり鑑賞会

普段は展示室でのおしゃべりはお控えいただいていますが、この日は声を気にせずにご鑑賞いただける日として開館いたします。「子供が騒いだらどうしよう」というご懸念や、「感想を話し合いながら鑑賞したい」などのご要望を踏まえ、気兼ねなくお楽しみいただければと存じます。ご家族はもちろん、ご友人同士でもお気軽にご来館ください。
●小さなお子様には踏み台の貸し出しもいたします。
※当日は館内に話し声が響くことが予想されますので、予めご了承ください。
※当館にはエレベーター・スロープ等はございません。


◇やきもの絵付け体験 昔ながらの文様を描いてみよう

江戸時代の食の場面を彩る伝統文様「蛸唐草(たこからくさ)」。当館学芸員が蛸唐草文の描き方をレクチャーした後、上絵具マーカーを用いて白磁のミニカップへの絵付けを体験していただけます。制作された作品は当館で焼成し、後日送料着払いにて発送いたします。
13:30受付開始・14:00開講(45~60分程度)
※制作が終わり次第、各自解散となります。
■対象年齢 小学3年生~中学生
■先着10名様
■参加費 お一人様1,500円
■要事前予約
※下記予約サイトからお申し込みください
【受付開始】7月15日(月・祝)10:00~
https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/



本展会期中の催し物のご案内


◇展示解説 「古伊万里から見る江戸の食」の見どころ

 2階展示室にて、主な出展作品の見どころをご紹介いたします。
■7月15日(月・祝)・9月14日(土) 各日14:00~(約45分)
■参加料無料(入館券を別途お求めください)
■予約不要



◇ラウンジ&ギャラリー・トーク 「浮世絵から見る磁器と食」

 前半は1階ラウンジにて、浮世絵に描かれた食の場面から江戸時代の磁器の使い方を紐解きます。後半は2階展示室にて展覧会の展示解説を行います。
■7月29日(月) 14:00~(約120分)
※当日はご予約の方のみご入館いただけます。
 ※13時30分開館、17時00分閉館です。
■先着30名様
■参加費 一般1,500円(税込)(入館券を別途お求めください)
 年間パスポート会員1,200円(税込)
■要事前予約
 ※下記予約サイトからお申込みください(受付開始4月17日10:00~)。
 《ラウンジ&ギャラリートーク予約サイト》
 https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/



◇見て・知って・味わう「江戸のうつわと食」

戸栗美術館にて所蔵品をご鑑賞いただいた後、セルリアンタワー東急ホテル・日本料理「Japanese Cuisine 桜丘」にて特別メニューの和食ランチをお召し上がりいただけます。
■9月9日(月)・10日(火)
 ※当日はご予約の方のみご入館いただけます。
 各日各回10:15/11:00/11:45開始
■戸栗美術館にて、作品を手に取っての鑑賞会および学芸員による展示解説を行います。
■特別メニューの和食ランチをご提供いたします。
 ※ワンドリンク付(スパークリングワイン又はノンアルコール)
■各日各回先着6名様
■参加費15,000円(税・サービス料込み)
■要事前予約
 予約開始 7月17日(水)10:00~
 ※下記予約サイトにてお申込みください。
 https://airrsv.net/toguri-event/calendar/
 ※アレルギーやご不明点のある方は、お電話にてお問い合わせ・お申し込みください。
 TEL:03-3465-0086/専用回線 ※受付時間は開館日・開館時間に準ずる